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AI活用による設計業務の効率化

AI活用による設計業務の効率化

2025年06月02日 14:54

今回は『AIを用いることで設計業務がどう変わるか』をテーマにした、少量多品種の組立製造メーカーの経営者にぴったりの記事です。

※この記事は約4分で読むことができます


設計においてAIの活用が期待される業務とは?

昨今のAIの進化は著しく、設計業務におけるAI活用は多くのお客様が期待するところです。経済産業省が発表する「2024年版 ものづくり白書」においても、生成AIの様々な可能性について触れられています。


出典:2024年版ものづくり白書(ものづくり基盤技術振興基本法第8条に基づく年次報告)(経済産業省)


つい数年前まで想像もできなかったことが、AIによって実現されようとしていると大きな可能性を感じさせます。様々な可能性を秘めたAIですが、どういう点に注意して活用を進めるべきなのでしょうか?


AIが不得意なこと

トモラクも生成AIを始め、AIを組み込んだシステムをお客様に提供していますが、サービス開発過程で常に1つの課題に悩まされてきました。それは、「AIの精度」です。


元来、製造業の設計というのは「高い精度」が求められミスが許されない仕事です。一方で、AIは学習データに基づく確率的判断を行うため、確実性は保証できない傾向があり、どうしてもお客様が求める精度に至りません。

特に設計業務については、その機密性からお客様のデータをAIに学習させることに制約もあり、一層高い精度を出しづらいと感じます。

精度が足りなければ、結局は人が確認をして修正する必要があります。精度が一定基準を下回れば、全てやり直しにもなりかねません。


そういったサービスを有償で受け入れていただくのは難しいことです(AIは計算資源、専門人材、データ整備などのコストがかかります)。

こうした課題は、将来的な技術の進化により克服できる可能性もあると思いますが、前述の活用用途やお客様が思い描く活用用途が今すぐ実用できるとは言えません。


では、設計業務において、今AIを活用するとしたら何ができるのでしょうか?


AI活用の実践

精度の課題を考慮すると、最も現実的で取り組みやすいAI活用シーンは以下の通りです。


① 情報検索

例えば、社内設計データの検索、技術文書・マニュアル等の関連資料検索は、最もAI活用に向いている業務です。

なぜなら、AIが「間違えても」設計自体に直接影響しなかったり、検索結果は人間がストレスや違和感なく最終判断できたり、既存データを活用するため新たな精度問題が生じにくいからです。


つまり、膨大なデータから100%の精度で探し出せなくても、人間が手と目で探し出すことに比べれば、遥かに労力と時間を節約でき、業務上のリスクが低い用途だと言えます。



※画像イメージ:トモラク株式会社が提供する「AI図面文書活用システム|TomorakuDMS


② 設計初期段階での案だし

これもAIに合った活用方法です。構想設計のアイデアを出してもらったり、設計上の留意点を出してもらったり、類似問題の解決アプローチを提示してもらったり、設計上のチェックポイントを出してもらったり、といった用途が考えられます。


あくまで「参考情報」として活用し、最終的な設計判断は完全に人間が行いますし、創造性の支援なので精度よりもアイデアの幅が重要ですし、AIの精度が課題になりにくいと言えます。


③ 文書作成・整理業務

報告書の構成案をAIに考えてもらったり、仕様書のフォーマットを整理してもらったり、設計変更履歴の整理(変更点の整理と影響範囲の洗い出しなど)をしてもらうのも良い活用方法です。


逆に現時点で避けるべき活用用途は、構造計算、寸法決定、安全係数の設定など、精度が直接的に安全性や品質に影響する業務です。

設計業務におけるAI活用は、精度の課題を理解した上で段階的に導入することが重要です。まずは情報検索から始め、効果を実感しながら徐々に適用範囲を広げていくアプローチをお勧めしています。



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